カスタム好きが絶対イジる『フェンダー』ってなに?
前後輪タイヤのカバー部分からボンネット付近までをフェンダーといいます。
フロントのヘッドライトが顔の正面であるとするなら、フェンダーは車の横顔といえます。
カスタムカーオーナーは、このフェンダー部分にこだわりをもって改造することが多いです。
車のフェンダーの役割
車のフェンダーは、走行中に小さな石や水やドロを後ろに跳ねあげ、ドライバーや車体に掛からないようにする装置です。そのためタイヤの幅に合わせて被さるように設置されています。
かつて、日本で生産されていた車にはこのフェンダー付近にサイドミラーが設置されていました。1950年代になると欧米ではドアに設置するサイドミラーが主流になりましたが、日本ではフロントフェンダーに設置されていました。
サイドミラーは後方を確認するためのものです。フロントフェンダーに設置したサイドミラーは視線移動が少なく安全性に寄与することが義務付けの理由だったのです。
欧米メーカーから規制緩和を求める動きが生まれ、1983年にはドアに設置するサイドミラーが認められることになりました。
しかし、それ以前にもサイドミラーをドアに設置する日本車は存在していいました。それは違法行為なのですが、外観がスラっとしていてスマートなことから、こだわりの愛車を求めるユーザーが独自の改造を施したのです。
サイドミラーをフロントフェンダーに備え付ける改造は、日本で最初のカスタムカーといえるかもしれません。
また、現在でもタクシーなどの法人向け車輌はフェンダーにサイドミラーが配置されていることがほとんどです。これは視線移動を小さくすることで「乗客を見ている」と誤解させないためだと言われています。
カスタムカーでイジるフェンダーと車高の関係
カスタムカーのフェンダーは、タイヤの間隔が大きく広がっている車と、狭い車があります。
間隔が広いものは大型SUVなど4輪駆動車などを改造したものが多いです。
車高を高くすることでフェンダーとタイヤの間が広がり、強くたくましく、迫力ある印象をあたえることができます。程度にもよりますが車高を上げれば視界が広がり視認性が向上し運転しやすくなる、豪雪地帯や悪路で振動を吸収し走行性能がアップするなどのメリットもあります。
それとは逆にフェンダーとタイヤの幅を狭くすると、よりスポーティーでクールな印象を与えることができます。国内外の高級スポーツカーやクーペ、レーシングカーを見るとフェンダーとタイヤの幅が非常に狭いことに気づくはずです。
フェンダーとタイヤの幅を狭くすることのメリットは高速走行時に車体の重心を下げ安定させる、空気抵抗を減少させる、空気抵抗を使って車体を下に抑え地面をしっかりとグリップさせるダウンフォース効果を利用できるのがメリットです。
カスタムカーのフェンダーは様々ですが、フェンダーとタイヤの幅の広さにより2つに分けることができ、車高の高さと深い関係があります。
なぜフェンダーを改造するの?
フェンダーを改造する理由、それは女性が洋服や化粧、ブランド品の時計などを身につけるのと同じファッション感覚です。
そのファッションセンスも様々です。実用性を確保し目立たないようにスマートに改造する方もいますし、タイヤがフェンダーの隠れるほどに車高を低くする方もいます。またカスタムカー仲間で競い合う中で、フェンダーに隠れたタイヤを斜めに設置する鬼キャンというカスタムを施すユーザーもおり、海外のカスタムカーユーザーの間でも話題になりました。
法律では、タイヤはフェンダー幅に収まるように配置しなければなりませんが、ほんの少しタイヤ幅をフェンダーの外に出す、オーバーフェンダーというカスタムもあり、タイヤを大きく見せることで迫力ある印象を与えることができます。
フェンダーの改造される車種は、SUVやスポーツカーに限りません。通常のセダンやミニバン、軽自動車・軽トラのユーザーも独自のカスタムを施し、それぞれのスタイルを楽しんでいます。
法律上の規定を守りながら、自分のスタイルを反映したカスタムカーを実現するのに最も身近で、手の入れやすい場所がフェンダーなのです。